侍先生!
「あ、うちのクラスの生徒や。ちょっと行ってくるわ」


職員室前でウロウロしている女子に話しかけに、せいじ先輩は席を立った。


すぐ戻ってきたかと思ったら、


「倖田。 お前に用事やって。 日本史でわからんとこあるって」


「あ、はい。 行ってきます」


職員室前まで行って、分からない所を聞く。
しばらく教えてると、理解したようで、頭を下げてお礼を言ってくれた。


「ありがとうございました。 あの、先生は文化祭…見回りとかするんですか?」


「え? まあ…そうだな」


まあ、自由に見回りしてもいいって言われてるんだけど。
女の子は少しシュンとした様子で去っていった。


…どうしたんだろう?


文化祭か…ただ、見回りすんのも楽しくないしなー…。


そうだ、姫条を誘うか!
なんて思い、姫条を誘いに行った。


姫条は予定が無いらしく、OKしてくれた。



そして文化祭当日。
劇は白熱してしまって、めちゃめちゃ楽しくやれた。


白熱しすぎて、思いっきり姫条にビンタして、後で怒られてしまった。


姫条と見回りしていると、うちのクラスの生徒が喧嘩したり、不審者らしい人が入ってきたり、また喧嘩があったりして、せいじ先輩とドタバタしていた。


やっと片付いて、姫条を探す。


「あ、川崎。 姫条みなかったか?」


せいじ先輩のクラスの川崎澪。この前日本史の問題聞いてくれた子だったよな。たしか。


「あ、見ましたよ。 さっき勝男くんとおばけ屋敷入ってった所です」


「そか。 ありがとな!」


「まいちゃんと一緒に行動してるんですか?」


「え? ああ、見回りにつき合わせてるだけどな」


「そうですか…。 行ってらっしゃい」


俺は軽く川崎に手を振って、おばけ屋敷に向かった。
出入口で待ってると、二人が出てきた。
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