侍先生!
「良かったじゃん、倖田先生と自由行動回るんだって?」


そう言ったのはカツオだった。
私はカツオを睨んだ。


「痛いなー! 頭割れたらどうすんのよー!」


「いーじゃん。 なんなら、髪の毛グッシャグッシャにしてやろうか? 倖田先生が幻滅するくらいに」


「やーめーてーーー!」


「ウッソだよ。 俺も今回は女の子と周るからお前と喧嘩してボロボロになったら格好悪いしな」



私、そんなに凶暴じゃないんですけど!


…て、女の子と周るって…。


「誰と?」


「ん? 美智子ちゃんとだよ」


…ええ!まじで!!


「良かったじゃん!」


「おー! 良かったよ。 可愛い女の子と修学旅行を過ごせるなんて、願ったり叶ったり~」


「はいはい、分かったから自分のクラスの場所にいきなよ。 ウザイから」


「ウザイってなんだよ!」


カツオと言い合いしてると、皐月が割って入ってきた。


「まい~。 勝男くん、強がってるんだよ。 まいと行動できないからって」


「お。 さすが皐月! 分かってるじゃん!!」


と、カツオが偉そうに言う。
お前が言う事か?


「見ていて痛々しいからやめたら? 勝男くん」


と、カツオの肩を優しくポン、と叩く和也くん。


「あ、なんか泣きたくなってきた」


と、カツオ。


…なんだこいつら。
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