侍先生!
「あれ? あれなんですか?」


「ああ、なんか縁結びのご利益があるとか…」


「行きましょう!」


「え? おい、舞台の方は?」


「後ででもいけますって!」


私はダッシュした。
先生はため息をついて、私のあとについてきた。


「ほうほう。 目を閉じたまま、あの石に触れる事ができたら、恋が叶うのか…



「うわ…女の子ばっかじゃねーか」


「女の子はこういうの好きですからね!」


「お前もなんか、目輝いてるな。 あ、そうか。 一応女の子だっけ。」


「一応は余計です! やるんだから黙っててくださいよ!」


「はいはい」


目を瞑って、気を集中する。


石…石はどこだ。


「ほんとにやれんのか?」


「あたぼーよ!」


「こけんなよ」


私は小さく頷いて、手探りで石を探す。
まっすぐ歩けばいいだけなのに難しい…。


あ、スイカ割りみたい。なんか。



「お」


先生がそう一言、言葉を漏らしたあと、私は石をタッチしていた。


「あ」


ほ、ほんとにできちゃった…。
< 169 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop