侍先生!
********************
「フロイス! 今日は何を見せてくれるのだ?」
「この砂時計でございます」
「…何やってんの?」
教室で先生と、いつもの信長ごっこをしていると、皐月がまた、眉と眉のあいだにシワを作って言った。
「信長ごっこ。 フロイスがやってきた編。」
「…楽しい?」
うん、楽しいけど?
「あんた達、お似合いだね。」
皐月がそう言うけど、先生には…。
「そうだよな、こんな遊び、高校生になってもするの、俺と姫条くらいだよなー。 …あ、俺はもう大人か」
ふーん…。彼女とは、しないんだ。
…じゃあ、私だけの特権?
「じゃ、侍先生、本能寺の変で、光秀やってー。」
「よし! 敵は本能寺にあり!」
「そこから? ただ言いたいだけじゃん!」
ケラケラと笑っていると、先生も少し笑ったあと、私に近付いた。