侍先生!
大仏様は大きくて、見すぎて首が痛くなった。


奈良の観光も終わって、旅館についた。
お風呂も入って、夕飯も食べた。


まだ20時。
寝るには早すぎる時間。


「ねえねえ、まい! 今から枕投げしない?」


「えー、面倒くさい」


「男子の部屋に行ってするの! 和也も明石くんもいるよ!」


「えー、いいよ。 行ってきなよ」


「分かった。 じゃあ行ってくるね。 あと、この部屋の女子全員行くらしいから、あんたひとりだよ?」


「別にいいよ。 行ってらっしゃーい」


そう言って、すでに敷かれていた布団に入る。
本当に皆行ってしまって、部屋にはひとりきり。


「退屈だなあ…」


そうやってゴロゴロしてみる。


しばらくすると、部屋のドアがノックされる。
入ってきたのはせいじだった。


「ちょっとー、乙女の部屋に入ってこないでよ」


「うるさい、見回りじゃ! 他の女子はどうしてん?」


「トイレですけど」


「みんなでか?」


「女の子はツレションが好きなんです」


「まあ、面倒くさいから深く追求はせえへんけど…。 お前はいかんのか? 枕投げ」


バレてたのか…。
まあ、どうでもいいけど。


「行かないよ、めんどくさいもん」


「お前は…若さ無いなあ、ほんま。 ちょっと来い!」


「えー」


せいじの後を着いていくと、宴会場に入れられた。
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