侍先生!
「お前、すごい顔してるぞ」


「せっ、先生だって! 顔赤いですよ! お酒飲みすぎ!」


「はは、確かに酔ってるかもな」


先生はまたケラケラ笑った。
先生はビール瓶の口をコップにつけるけど、中身が無くなってしまったらしく、一滴だけコップに落ちるだけだった。


「じゃ、俺寝るわ」


敷かれていた布団に潜り込んで、寝る先生。


…いや、ちょっと!
自由すぎない!?


私はどうしたらいーの!?


と、部屋のすみっこで固まっていた。


「一緒に寝るか?」


いいいいいい…いっしょに…って!


「なななな、何言ってんですか!?」


「ほら、来いよ」


と、先生は真ん中に寝ていたのを、隅っこに移動して、私の場所を作る。


こ、来いよって!
それって…


ぎゃああ!!


よからぬ妄想が頭の中をかけめぐる。


「だだだっ!駄目だよ、先生…そんな!」


「何言ってんだよ、キスまでした仲じゃないか」


「あ、あれは事故だって、先生が言ったんでしょー!」


先生は、キョトンとした顔で、“そうだっけ?”と呟いた。


まったく、この酔っ払い!
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