侍先生!
「あー!そうだったな!」


「カウントすんなって言ったくせに!」


「あー…、それは、アレだよ、アレ」


アレって何よ…。


先生は酔いすぎて、思考能力が低下してるのか、頭を抱え出した。


「お前は、カウントに入れんなって事だよ」


「へ?」


「俺はいいけど、お前は入れんなって事」


…意味が分からない。


私は駄目で、先生はいいって、どうゆう事?


「俺はともかく、お前ははじめてなんだから、それはちゃんと、大事なやつとした方がいいんだよ。 うん、きっとそうだ」


と、一人で相槌をうった先生。


「ちゃんと…付き合って、手を繋いで…いい雰囲気になって、それから、だろ? ファーストキスってもんは」


「そ、そうなの?」


「へ? 違うのか?」


「先生は、そうだったの?」


「…違うけど」


…何それ。


私はなんだか可笑しくて笑ってしまった。
先生も、そんな私を見て笑っていた。
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