侍先生!
たこ焼き屋を出て、当ても無く歩く。


「姫条、昨日の事だけど」


「はい」


先生が、イキナリ話題をふってきた。
私は俯いてた顔を上げて、先生の顔を見た。


「お前に、言おうと思ってた事があったんだ」


「…はい」


「でも、あのシュチュエーションで言ってしまうのも、雰囲気で…なんかやばい事になってしまいそうだったから、やめとこうって思ったんだ」


「その、話したい事って、何だったんですか?」


先生は、道の隅っこに寄り、端にあった柵にもたれた。
コホン、と一回咳をして、私の目を見た。


「昨日だけじゃなく、前から言おうと思ってた。 …お前は、俺のただのお気に入りの生徒じゃない」


お気に入りの生徒じゃないって…どうゆう事?
と、思ったが、私は何も言わずに、ただ先生の話を聞いていた。


「お前とする信長ごっこは凄い楽しいし、お前は面白い。 …ただそれだけだったんだ。 しばらく前までは」


先生の顔が少し赤くなる。


「でも、お前が森本と仲良くしてんのはなんだかムカついたし、嫌だった。 でもお前は、俺の事が好きだって、言ってくれた。 それがすごい、嬉しかった」


私も、先生につられるように、顔が赤くなる。
先生の顔がまともに見れないけど、先生は、私から目をそらさなかった。



「ずっと、気付かない様にしてたけど、俺は…



お前が好きだ」



“好きだ”と言われ、私の顔は最高潮に赤くなった。
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