侍先生!
俺は頭をかきむしって、部屋を出た。
部屋を出ると、そこにはせいじ先輩がいた。


「お、海! 姫条はもう戻ったんか?」


「はあ…。 まあ」


もしかして、朝まで一緒だったのバレてる?と俺は顔をしかめた。


「まあまあ、内緒にしといたるわ。 他の先生は気づいてへんみたいやしな」


やっぱバレてるのか…。


せいじ先輩にバレるとやっかいなんだよなあ…。
色々追及してくるし。


「で、どやったん?」


「なにがですか?」


「やってしもたんか?」


せいじ先輩の単刀直入な発言に、俺は咳こんでしまった。


「そんなわけないじゃないですか! やってないですよ!!」


「ほんまに~? あっちの方は大丈夫やったん?」


「大丈夫じゃなかったですけど…じゃ、ないですよ! とにかく、なんもないです!」


「なんや、つまらんわ~」


「せいじ先輩…。 そこは普通、反対するでしょ」


せいじ先輩はただ笑って、去っていってしまった。


姫条は、徳川と織田と行動してるのだと、他の生徒から聞いた。


…まだ怒ってんのか、あいつ。
そう思い、三人が向かったらしい方向へ、足を動かした。
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