侍先生!
「ごめんね、まいちゃんが先生の事好きなの、知ってたはずなのに…私、先生の事…好きになっちゃったの」


澪ちゃんが?先生を?


「本当にごめんなさい!」


澪ちゃんはそう言って、走って去ってしまった。


私は何が起こったのかわからず、ただ、そこに呆然と立っていた。


…み、澪ちゃんが、先生の事好きだったなんて、知らなかった!


いつから、なんだろう。
もしかして、私が相談した時も、先生の事好きだった?


「何してんの?」


と、侍先生の声。


あまりにタイミングがよすぎて、めちゃくちゃビビってしまった。


「今、川崎といなかったか?」


「い、いましたけど…」


先生は、そうか…、と自分の髪の毛をクシャクシャにした。


「そういえば、川崎とお前…仲良しだったよな」


「そうですよ?」


「俺、このあいだ、川崎に…」


と、言って、口を閉ざした先生。


「告白されたんですか!?」


「なんで知ってんの!?」


まさか…告白までしてたなんて!知らなかった~!


「お前には言うなって、言われてたんだけど」


「私に?」


「ああ」


凄く、ショック。


澪ちゃんが、先生を好きな事?
澪ちゃんが、先生の事を好きだと知らなくて、先生との事を相談した自分に?


どちらなのか分からずに、私の胸のなかでモヤモヤが広がっていった。
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