侍先生!
「先生、私…澪ちゃんの所に行ってくる!」


私は走って澪ちゃんを追いかけた。
もうクラスに戻っちゃったかな?と、大股で走る。


澪ちゃんを、廊下で見つけて、叫ぶ。


「澪ちゃ――――……ぎゃっ!」


ドン!と音がして、豪快にこけてしまった。
澪ちゃんを下敷きにして。


「ご、ごめん。 澪ちゃん!」


「いたた…。 ううん、まいちゃん…大丈夫?」


澪ちゃんはやわらかく笑って、私の心配をしてくれた。


「本当に…ごめんね?」


「ううん、大丈夫だから…」


「私、無神経だったよね。 ごめん…」


私がそう言うと、澪ちゃんは少し黙ってしまった。


「…ううん、まいちゃんも、先生も好きだから、いいの。 ただ、想いが爆発しちゃっただけ。 もうスッキリしたよ」


澪ちゃんはニコリと笑った。


「そ、そうなの?」


「うん、なんてゆうか、後ろめたさの方が大きくて、言ってしまったら楽になるかなって。 言うつもりはなかったんだ。 二人の邪魔をするつもりも、なかった」


「澪ちゃん…」


「先生と、上手くいくといいね」


私は、小さく頷いた。


私も、前はそう思ってたんだった。


先生と、真帆さんが上手くいくといいなって。
だから、今澪ちゃんがどれだけ辛いのかも、分かってしまう。


それでも、私は…先生が好きなんだ。
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