侍先生!
みんなでお昼ご飯を食べたあと、女子がこっちに向かってきた。


「先生、今度教室でご飯食べるときは私達と一緒しよ~よ~。 いつも姫条さんばっかりずるい!」


…あ、やっぱり先生を独占してるの、知られちゃってる?


きっと、そのうちトイレに閉じ込められて、リンチされるかも。
なんて、被害妄想をしてみた。


「じゃあ、今度みんなでお昼ご飯食うか? 机で円書いて」


「あはは、何それ! 小学生の頃やったけどー」


ケラケラ笑う、女の子達。


それを見て、少しムカムカするのは、なんでなんだろう。
私はまだ、先生の彼女じゃないけど。


…それでも、なんかムカツクなあ。


「よし、姫条。 信長ごっこの時間だ!」


「へ!?」


先生に腕を引っ張られ、教室を出る。


「そう言ったら、誰も着いてこないしな」


…まあ、確かに誰もしたいと思わないよね。


しようと思っても、私たちのノリにはなかなかついてこれないと思うけど。


そう思うと、さっきのムカムカが少しおさまった。


資料室に入って、椅子に座る。


そういえば、信長ごっこするわけじゃないんだよね?
何の用なんだろう?


「今日、真帆と会うから」


その時、胸の奥で、ズキン、と音がした。


真帆さんに、会うんだ。
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