侍先生!
「今言ったって、もう海には姫条さんがいるんだし、支障ないでしょ?」


と、笑顔で言う真帆さん。


「そうだな」


と、笑う先生。


…なんか…なんか…お似合いだよな、このふたり。


「じゃ、私は帰るね。 サヨナラ」


と、手を振る真帆さん。


「おお、気をつけてな」


「うん。 姫条さんも、バイバイ」


「あ、はい。 また…」


と、言うと真帆さんはクスクス笑った。


「彼氏の元彼にまた会うつもりなの? ほんと、姫条さんって面白いね」


「え!? もう会えないんですか?」


ふつうは、険悪なムードになるんじゃないの?と、真帆さん。


そうなのか…。


確かに、ヤキモチは焼いてしまうし、真帆さんも、私の事、よく思っていないかな、やっぱ。


「会いたくなったらいつでも連絡してね! 姫条さんさえよければ!」


と言って、携帯を差し出された。
赤外線通信して、番号を交換する。


「じゃあ、またね! 姫条さん」


真帆さんは、そう言って去っていってしまった。


隣で、無言の先生。
何て声をかけたらいいのか…。


とブツブツ呟いていると、先生の方から話しかけられた。


「姫条」


「はいっ」


私は勢いよく、先生の方を向いた。
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