侍先生!
先生、真剣な顔してる。どうしたんだろう…。


「俺は教師で、お前は生徒だ。 お前が卒業するまでは、ちゃんとした付き合いができないかもしれない。 それでも、俺と付き合ってくれるか?」


「それって…」


「恋人同士になってくれって事」


目の前がチカチカする。
先生の、恋人に…なれるんだ。


「い、いいの!? 真帆さんは!?」


「だから、それはもう解決しただろ」


「もう好きじゃないの!?」


「俺が好きなのは、お前だっつの」


私は、じーん、と感極まって涙が流れた。


「わ、私も…侍先生が好き!」


「侍先生じゃないって…」


先生は、呆れたように言う。
「前に言っただろ?」と、言ってきた。


「海…先生」


「先生とって」


「か、かい…」


まだぎっこちないな、と笑う先生。


だって、先生を下の名前で呼ぶの、はじめてなんだもん。
顔を真っ赤にして、先生を呼ぶ練習をする。


「まあ、ゆっくりでいいよ。 でも、学校ではいつも通りな?」


「侍先生!」


「それははりきって呼べるのな…」


と、呆れた顔の先生。
< 207 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop