侍先生!
教室に戻ると、皐月と和也くんと明石焼きくんが残っていた。


「あれ? まだ帰ってなかったの?」


「うん、ちょっとね! 明石くんの話聞いてたの!」


「へー! どんな話?」


私がそう言うと、明石焼きくんは焦っていた。


「いいでしょ? 言ってもー。 もう、まいは先生と付き合ってるんだから気にしないよー」


「なになに? なんの話―?」


私に関係ある話なのかな?
と思っていたら、和也くんが口を開いた。


「明石くん、最近気になる女の子ができたんだって!」


「おおー! 良かったねー!! …で、それと私が何で関係あるの?」


私は頭にハテナマークを飛ばすと、三人はズッこけた。


「明石くんはあんたの事好きだったでしょ!? だからよ!」


「ああー! そんなの気にしないでいいのにー!!」


私がそう言うと、明石くんは少し落ち込んで、


「いや、姫条さんがもっと気にしてくれ…」


明石焼き君はまあいいけど、と呟いた。


「もうすぐクリスマスだし、頑張ってね! えーっと…」


「明石だよ!! さっきから普通に喋っといてそれかよ!?」


そっかそっかあ。と、呟いて、コートを羽織り、マフラーを巻いて、鞄を持った。


「皐月と和也くんは、今年のクリスマスどうするの?」


「俺たちはねー。 いつも通り、家族ぐるみのクリスマスなんだ」


と和也くん。


皐月と和也くんは家族ぐるみで仲がいいから、早く結婚とかしちゃいそうだな、と思った。
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