侍先生!
「まいは? どうするの?」


「え? えーと…」


ゲタ箱前で立ち止まる。


「あ、そっか! 先生とだよね」


それが…まだ何も約束してません。


なんて、言えない…。


「お、今帰りか?」


と、侍先生の声。
タイミングいいんだか悪いんだか…。


「姫条、ちょっと話あるんだけど、いいか?」


学校では、いつも通りの呼び方なのね…。


って、名前で呼ばれても困るけど。
てか、話ってなんだろう?


皐月と和也くんと明石焼きくんが帰ったあと、人気の無い廊下の隅で話をした。


「お前、ショートケーキ派? ブッシュドノエル派?」


「は?」


な、なにイキナリ…。


「クリスマスケーキの事だよ」


「ああ!」


先生は眉間にシワを寄せる。
先生が脈略もなくそんな話するからじゃん~。


「てか、なんで二択?」


「そりゃ、俺そのふたつしか作った事無いから」


「先生って、ケーキ作るの!?」

悪いか?と、ムスッとする先生。


いや、全然悪くない!


「お前はどっちが好き? 作ってやるよ」


それって…


「一緒に過ごすって事?」


「そりゃそーだろ」


そうなんだ…。


そうだよね。
私たち、一応恋人同士なんだし!


過ごして当たり前なんだよね!
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