侍先生!
「そのまんまって?」


「お前の相手ができるのは、俺くらいって事だよ」


そう言って、オデコをつつかれる。


「それって結婚してくれって事?」


「さあ? どうかな~?」


先生は出席簿を肩に乗せて、歩き出した。


私は立ち尽くして、ボー然とする。


結婚って…先生と私が?


私、まだ学生だし!
その前に、先生と生徒だし!


と、ひとりで妄想してしまう。


お色直しは絶対着物だなあ…。
先生には、袴きてもらいたい。


「姫条! もうチャイムなってるぞ!」


先生は資料室のドアに手をかけて、そう叫ぶ。その声でハッっと我に返る。
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