侍先生!
「は!?」


「今日は体育祭だろーが」


カツオの言葉でハッとする。
そうだ!今日は体育際だったんだ!


忘れてたー!


私は急いで、体育際に必要な荷物を鞄に詰め込んだ。


「そんな事だろーと思って教えに来てやったんだよ。 お前、昨日から始まる大河ドラマがどうのーとか言って、忘れてんじゃねーかと思って」


カツオは腕組みをして、偉そうに言う。


「だって、織田信長の話なんだよ!?見なきゃ、録画しなきゃじゃん。 ってゆうか、メールでいいじゃん! なんでわざわざベランダから顔出すの?」


織田信長の事だけ考えてたんじゃないんだけどね。
…先生の事もあって、すっかり忘れてただけで。


「そりゃ、こっちの方が金かかんねーからだよ。 メール送るのにも多少の金はかかるんだぞ。」


「たいした額じゃないでしょ。 そんなに気にするならパケホーダイにしたらいいじゃん。」


「俺は定額以下の値段で勝負したいんだよ」


「意味分かんない。 ってゆーか、用件済んだら帰ってよ!」


私はカツオの首根っこをつかんで、追い出そうとしたが、カツオは言う事を聞かずに、私の部屋を出た。


ベランダの方じゃなくて、廊下に。
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