侍先生!
「まいまい、おせーぞ! そんなんじゃ優勝は無理そうだな」


ゆっくり朝食をとっていたせいで、学校まで走るハメになってしまった。


ゼーゼーと息切れしながら、カツオの10メートル後ろを走っていた。


「まいまいって言うな! カタツムリじゃないんだから。 別に、優勝しようなんて思ってないし」


「ハァ!? お前、欲の無い奴だなー。 ほっていくぞ?」


「勝手にすればー?」


そう言うと、カツオは、『じゃーな』と言って、ピューッと走っていった。


…ったく、面倒くさい奴だなぁ。カツオは。


先生とは大違い………………あっ!!


「…カツオのせいで、先生の事考えるヒマ無かった」


考えたって結果は出ないから、いいんだろうけど。


知らなかった方が、もっと良かったのかな?
私は、先生に何か、してあげられる事は…あるのかな。


学校に着いて、教室に入ると、ちょうどチャイムが鳴った。


良かった。セーフ。


「みんな、席つけー」


後ろから先生が入ってきて、目を合わせずに避けた。
私は逃げるように自分の席に向かった。
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