侍先生!
「姫条?どうした?」


「ショックで…」


「ショック?」


…ショック?
…なんで、ショック?


お気に入りの先生に、彼女がいたら、ショックなのか?


…いいや、違う。
理由は、ひとつしか、無いよな。


「泣くな、姫条。 今回はお前に、信長役をやらせてやる!」


「い、いらないよぉ~。」


「今日は特別! 吉法師の頃からやってやる!」


「…ほんとに?」


「本当だ。 だから、泣きやめ、なっ?」


今、俺はお前の気持ちに応えるわけにはいかない。


姫条、それは錯覚なんだって、気付いて欲しい。


教師じゃなくても、お前は、俺が好きか?…違うだろ?


俺とお前は、教師と、生徒だ。


信長ごっこを楽しむ、仲の良い、ただの…教師と、生徒だ。
< 68 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop