侍先生!
第二章

人の恋路

体育祭が終わったあと、私は意気消沈していた。


もう何をするのもおっくうで、学校ではずっと机に顔を乗せていた。


もうすぐ夏休みだというのに、予定もなんも無いし。
あるのは宿題だけ。


そう考えるとため息が出た。


「まいちゃん、具合でも悪いの?」


そう言うのは、3組の吉川美智子(よしかわみちこ)ちゃんだった。
時期生徒会長で、頭が良くて、可愛いくて、優しいモテ子ちゃんである。


去年同じクラスだった時、よく遊んでいた。


「ううん、心が痛いの」


「心…かぁ。 恋の悩み?」


グサッ!と音がして、私の心に突き刺さった。
私は胸を押さえて俯いた。


「ご、ごめん…」


「いいの。 もう…」


ツー、と涙が流れてくる。
美智子ちゃんは焦ってずっと謝っていた。
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