侍先生!
「ま、まいちゃん! 夏休み、ひま?」


美智子ちゃんはまだ焦ったまま、そう言った。


「ひま、だけど…」


「じゃあ、生徒会の仕事手伝ってもらえない?」


生徒会の仕事?面倒くさそう…。私は顔を上げてあからさまに嫌な顔をした。


「仕事ばっかじゃなくて、社会見学にも行ったりするんだよ。 楽しいよ?」


美智子ちゃんはそう言って笑った。


「担当の先生は、倖田先生なんだけど」


…グサッと、また音が鳴った。


「それと、勝男くんも来るから!」


「カツオも? なんで?」


「副会長になるんだって。 まいちゃん、勝男くんとは幼なじみでしょ? 仲良しの子がいたら、楽しいんじゃない?」


美智子ちゃんとカツオがいたら楽しそうだけど…先生がいるんじゃなあ…。


「あ、でも…一回目の社会見学は相撲なんだった。 興味無いよね?」


私は目を光らせて、手を目いっぱい上げた。
< 72 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop