侍先生!
先生の事、考えるのはよそう。
いや、そう思ってても、考えてしまうから。


考えるなら、先生に何をしてあげられるか考えないと。


そう思って、教室を出ると、廊下で同じクラスの子達と話す先生の姿があった。


「侍せんせー!」


私がそう叫びながら先生に寄っていった。


「姫条さん。 姫条さんはいいなぁ。 日本史の成績良いもんね~」


先生と話していた女子の一人がそう言った。
メガネをかけた女子だった。


「え? うん、日本人たるもの、日本史に強くないと」


「どんな先入観だ、それは」


と、先生にツッコミを入れられてしまった。


「私達、日本史に弱くて~。 先生に勉強見てもらうんだ~」


少しブリッコっぽい女子がそう言う。


勉強を、見てもらう?


「明後日、テストだもんね。 悪あがきってやつ?」


色黒体育系の女子がそう言った。


…明後日?テスト?
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