侍先生!
「まさか、姫条…」


先生が眉をひそめて呟いた。


「テストの事、忘れてたとか~?」


と、ブリ子ちゃんに言われてしまい、私の体に雷が落ちたような衝撃が走った。


「ず、図星かよっ!」


先生は呆れた顔をしていた。


そうです、忘れてました…。


「姫条さん、大丈夫?」


メガネっ子が心配そうに私に近付く。
私はそれを振りほどいて、先生にしがみついた。


「侍せんせぇぇ!! 私に勉強教えてくだすぁいい!!」


ほんと、やばいんだって!
数学の小テスト、13点だよ!?


「だーめ」


そう言われて、先生からひき離された。色黒ちゃんに。


「姫条さんは日本史の成績良いんだから、問題無いでしょ? 倖田先生は、私たちに譲ってね~」


色黒ちゃんは先生の背中を押して、どこかに向かっていく。
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