侍先生!
「ありがとう、まいちゃん。 でも、私…」


「ノープロブレム!」


「まいちゃんは…好きな人がいるんだよね?」


へっ!?昭和の漫画みたいにハートが飛び出したような感覚がした。


「前、その事で悩んでなかった?」


「ナンノコトデスカ?」


「とぼけちゃってー。 このこの」


肘でぐいぐい押されて、タジタジになる。


やばい。
状況が変わった。


「臆病になる気持ち、まいちゃんにも分かるよね?」


「…分かる」


先生と信長ごっこしてたって、もっともっと仲良くなりたいとか思ってしまう。


でもそうしてしまうと、関係が崩れてしまうかもしれない。
それなら、今のままでいい。なんて、思う。


「私の事は気にしないで、ねっ!」


「…美智子ちゃんとカツオはお似合いだと思うんだけどなぁ…」


「それだけで充分だよ、まいちゃん。 ありがとう」


美智子ちゃんみたいに可愛い女の子でも、恋に臆病になったりするんだ。
私はうーん、と考え込んでしまった。
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