侍先生!
でも、美智子ちゃんは気にしてなさそうに、カツオに話かけていた。


「昔っから、俺の頼む料理見ては、欲しいーってせがむんだよ。 だから、今みたいに食わせて落ち着かせるってワケ」


「そんな昔のこと言わないでよ」


「今だってやってるくせに」


…うっ。それはそうだけど。


「いいなぁ…」


美智子ちゃんがそう呟く。


カツオがキョトンとした顔で、美智子ちゃんを見てると美智子ちゃんは無意識に言っていた自分に焦っていた。


「姫条と森本、兄妹みたいだもんな。 吉川はひとりっこだから、羨ましいんだよな?」


侍先生がそう言うと、美智子ちゃんは大きく頷いた。


侍先生、ナイスフォロー!!


「こんな手のかかる妹でよかったらあげるけど?」


私じゃねーよ、お前だよ。
なんて言いたい所だけど、心の中で留めておいた。


カツオは、美智子ちゃんに興味ないのか?


いや、でも可愛いって言ってたしなー。
バクバク食べながらそう考えてると、あっという間に食べ終わってしまった。
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