恋花火 ~恋は甘く切ない~

「はいはい。んじゃあ、今日は帰るわ。また連絡する」

そう言うと、神谷くんは今度こそあたしに背を向けて歩き出した。

あたしはその背中をボンヤリと眺めながら、今日のことを思い出す。

丹後くんと、都ちゃんキスしてたな・・・・・・。

でも2人は付き合ってるわけで、その行為は別に当たり前のことなんだと思う。

そんなの、わかってる。

でも実際見てしまうと、傷つくのは当たり前。

悪口を言われて傷つかない人なんかいないし、それと似たようなものなのかな。

あたしは、いつまでこの気持ちを引きずるんだろう。

丹後くんは都ちゃんのものなのに。

わかってるけど、やっぱり嫌いになるのは無理。

それができてたらとっくに嫌いになってるから。


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