恋花火 ~恋は甘く切ない~
「うっとうしいって何? 付き合ってるくせに。キスしてたくせに。 いいよ、妃紗なんかに気ぃ使わなくて」
口ではそういうけど、ホントはあたし、嬉しいんだ。
丹後くんと繋いで、ふたりで公園までの道のりを歩く。
それだけのことが、あたしにはとても幸せに感じた。
だけど、クリスマスの日のキスは・・・・・・嫌でも頭から離れてはくれないんだ。
「アイツ言ったんだよ。付き合うときに、“都のこと好きじゃなくてもいいから付き合って。都のこと好きにさせる自信あるから”ってな」
何それ・・・・・・。 そんなの、知らなかった。
だって、都ちゃんそんなことあたしに一言も言わなかったじゃない。