恋花火 ~恋は甘く切ない~
「で、何だよ? お前が俺に用あるなんて珍しいな」
放課後。 丹後くんを呼び止めて、今は教室に2人っきり。
いつ渡そうかな、って考えてたら何時の間にか授業は終わってた。
呼び止めたのはいいけど、どう切り出せばいいのかわかんない。
「あのさ・・・・・・」
どうしよう・・・・・・告白するわけでもないのに変に緊張する。
あのさ、の次が出てこない。
「あーそうだ。 俺もお前に話あるわ。 この前一応相談のってもらったし」
なかなか切り出さないあたしを見かねてか、丹後くんが言った。
「え、なに? 先に言っていいよ」
「俺さぁ・・・・・・アイツと別れたんだわ」
え、別れた?
アイツって、都ちゃんだよね?
嘘でしょ? なんで?
別れたくても別れれないんじゃなかったの?
「それ、ホント・・・・・・?」
信じられない、そういった目で丹後くんを見るけど、返ってくる言葉はやっぱり・・・・・・。
「まあな。 アイツうぜぇーんだもん」
うざい?
でも何で急に……。
「そっか」
あたしはチョコのことなんて完全に忘れて考える。
都ちゃん大丈夫なのかな。
あんなに丹後くんのこと好きだったのに。
確かにあたしも丹後くんのこと好きだけど何か気になる。
おせっかいかもしれないけど都ちゃんのことは大切だから。
「で、お前の話は?」