恋花火 ~恋は甘く切ない~
そう言ってサキが助けてくれた。
「いじめてねえし。意味わかんねー」
ええっ!?
意味わかんないのはこっちだけど!
初対面の人にからかわれてさあ・・・・・・。
ほんっと意味わかんない!
「はいはい。わかったから、あんたも名前教えなよ」
え、サキ?
あたしもうこの人とかかわるつもりないけど?
たしかにカッコいいとは思ったものの、チャラい人嫌いだし。
「あー。俺、丹後歩武。よろしくな」
え?
勝手にお願いされても困るんですけど。
関わるつもりないのに・・・・・・。
「よ、よろしくね・・・・・・」
無視するのも人としてどうかと思うし?
一応だよ、いちおう。
「妃紗めっちゃ怖がってるよ?」
はい。そうです、あたしチャラい人苦手だもん。
何回も言うけど。
だって何か怖いじゃん?
「何で怖がんの?俺そんなに怖い?」
ええ、すっごく怖いです・・・・・・。
何かもう見た目もオーラも声もすべて・・・・・・。
耳には何個付いてんのかわかんないくらいピアス付いてるし。
制服も着崩してるし。
あたしには、ほど遠い人だから。
「妃紗男子苦手だもん」
思わずそう言ったあたし。
でも男子が苦手なのはホントだし。