恋花火 ~恋は甘く切ない~
「丹後くんは妃紗をドキドキさせる天才だよね」
どんな時も、丹後くんの言葉、仕草、表情一つで常にドキドキしちゃうあたし。
あたし、丹後くんのことがこんなにも好きなんだって実感した。
「俺だって妃紗にいつもドキドキしてる。今日だってその……か、かわいいし」
丹後くんがちょっぴり照れたように言うもんだから、あたしまで照れちゃうよ。
それに……可愛いだなんて、言われたことないからやっぱりドキドキしちゃって。
それから、水族館に着くまであたし達の手が離れることはなかった。
もちろん、あたしのドキドキが収まることもなかった。