恋花火 ~恋は甘く切ない~


帰り道。


なんとなく真っ直ぐ家に帰る気になれなくて街をブラブラ歩いてた。


あたしはこれからどうすればいいんだろう。


どうするのが正解なんだろう。


丹後くんのことは好き。


だから自分から別れを告げるなんてことできない。


だけどこのままでいていいのかな。


そんなことを考えながらボーッと歩いてたらふいに誰かとぶつかった。


「ご、ごめんなさい……」


あたしはうつむいていた顔を上げて、謝った。


「って、璃香さん……」


そう、あたしがぶつかったのは璃香さんだったのだ。


今日は1回も口を聞いてないしすごく気まずい。


でも昨日のことを謝りたいって思ってたから……。


「妃紗ちゃん、話があるの。ちょっと話さない?」


そう言う璃香さんの声は少し元気がなさそうだった。


あたしも璃香さんと話がしたかったから、静かにうなずいた。


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