恋花火 ~恋は甘く切ない~
その日の放課後。
課題を出していないあたしは担任に説教されてたため、他の子とは帰るのが遅くなった。
今日は特に予定もないし、ゆっくり帰ろうかな。
そう思って歩き出したとき、誰かが校門のところにいるのに気がついた。
こんな時間に誰かを待ってるなんて珍しいな……。
……ってあれ、丹後くんじゃない!?
うそ、なんで!?
今日、学校休んでたのに……。
「……よ」
あたしに気づいた丹後くんが話しかけてくる。
クリスマスのことなんてなかったかのように、今までどおりに。
でも今のあたしには怒りなんてなくて、むしろ嬉しかった。
好きな人に会えるって、こんなに幸せなことなんだ……。
「丹後くん、久しぶり」
冬休みになってから、丹後くんとは会っていなかった。