恋花火 ~恋は甘く切ない~
ほんとね……。
やっぱり高校が違うと会う機会も減るよなぁ……。
「で、いきなり何の用?まぁだいたいは見当がついてるけど」
見当がついてるって……。
何でサキわかるの!?
まだ当たったわけじゃないけど。
やっぱりサキは頭がいいんだなぁ……。
何でもお見通しなんだから。
「あのね、都ちゃんのことなんだけど……」
「やっぱりね〜。あたしってばどんだけ聞き役に徹するばいいんだか」
サキは呆れたように言うけど、あたしはサキの言葉がちょっとだけ引っかかった。
「どんだけって、妃紗そんな丹後くんの話してたっけ?」
あたし、中学の頃もそこまで話してなかったし、ましてや高校入ってからなんて何も言ってないのに。
今初めて言ったよ?
「あたし、妃紗たちと高校別れてからも都とは連絡取ってたんだよね」
驚くようなことをサラッと言うもんだから、あたしはしばらくポカーンとしてしまった。
だ、だって……!
都ちゃん、サキのことはなんにも言ってなかったのに……。
知らなかった……。
「じゃあ……都ちゃんが丹後くんと別れて妃紗と付き合ってたの知ってた……?」