恋花火 ～恋は甘く切ない～

コンビニでシャー芯を買って、家まで歩く。


チョコを買おうと思ったけどやめた。


何となくだけどね。


そんなことを考えながら歩いてたら、ふと誰かに呼び止められた。



｢……妃紗？｣


呼ばれた方を振り返ると、そこには都ちゃんと……丹後くんがいた。


嘘っ、何で2人がこんなとこに……。


久しぶりにみた丹後くんの姿に、あたしはドキドキが止まらなかった。


｢久しぶりだね｣


あたし、ちゃんと笑えてるかな？


丹後くんのことは吹っ切れたつもりだったけど、やっぱり2人が一緒にいるのを見るのは辛かった。


｢妃紗、元気にしてた？｣


久々に会って、聞きたいこととかもあったけど、今は何も口からは出なくて。


ただただ2人の姿をぼんやりと見つめていた。



｢うん、妃紗は元気だよ｣


なぜか、丹後くんの方には目を向けられなくて。