レゾンデートル
「ぷっ…ふふ、っマジか…」
目を開けた先にいた泉士さんの反応は予期せぬものだった。
「ふふ、はー…涙出ちゃった」
笑いをこらえながら泉士さんは目尻にたまった涙を拭った。
この反応の意図が俺には分からない。
「ありがとう。嬉しい。それじゃあベースかドラムのどっちかを頼んでも良い?」
「はい!……へ?」
今、何て?
「キミみたいな面白い人とバンドを組めるなら楽しそう。
よろしくね、鳳くん」
ニヤリといたずらっ子のような笑みを浮かべる泉士さんの瞳がキラキラと光る。
……嘘だろ?!