Sweet * 1LDK
「なあ、腹減った。」
「だからなによ。」
あたしはフライパンを用意しながら返す。
あんたのご飯まで用意する義務はない!
「どうせ作るんなら一人分も二人分も変わんねーだろ。」
類はいつの間にかあたしの後ろに来ていて、後ろからあたしを抱きしめた。
「ちょっ、離してよ!」
胸!当たってる!!手が!おい!
「じゃあ、作ってくれる?」
「わかったから!作るからあっち行ってて!」
「ん。」
そう言うと類はあたしから離れ、台所から出て行った。
なんでこんなことに…!
二人分…。作ったら買い物行かなきゃ…。
冷蔵庫の中身はほとんど空っぽだった。
たまご、ベーコン、牛乳…麦茶…。
冷凍庫には食パンが二枚。
「はぁ…。」
料理は好きだし、専門学校に入学したのは料理の道に進みたいからであって…。
でもあんなやつに作るとなるとなんか…。
「むかつく…。」
作ったのはトーストにベーコンとスクランブルエッグを乗せたもの。
簡単だし、それしか材料がなかった。
「これしかなかったの。文句いわないでね。」