Sweet * 1LDK
「さんきゅ。いただきます。」
なんというかきちんと手を合わせるところが可愛い。
見た目とミスマッチ。
ギャップ萌え?
イヤイヤイヤイヤ。何言ってんのあたし。
「どーぞ」
あたしもそれを食べ始める。
「うま。あんた料理うまいね。」
「ありがと。」
「流すなよ。本当にうまいよ。」
「ん…。ありがと。」
少し微笑んだ類。
その顔がなんかかわいくてドキッてする。
蜂蜜色の髪とか、よく見るとピアスいっぱいの耳とかとは合わない、子どもっぽいところもある。
なんだかんだで悪い奴じゃなさそうだし。
しばらくは居てもいいかなって、思い始めた。
「ごちそーさま。」
「はやっ…!」
「美味かったから。また作ってよ。」
小さく微笑みながらそう言うと、類は皿を持って台所へ行った。
「やだよ〜。」
あたしはパンを齧る。
「いーじゃん。」
座っているあたしの横に来てあたしの顔を覗く類。
顔近いってば。距離の取り方間違ってるってば。
「やだって。」
「お願い。」
「あ〜もうわかったよ。つくってあげる。」