Sweet * 1LDK
けれど、扉を開いた先にいたのは、郁未くんではなかった。
腰にタオルを巻き、郁未くんとは違う蜂蜜色の髪をわしゃわしゃとタオルで拭く男。
それに郁未くんよりも少し背が高い。
体つきもすこし筋肉質。でも華奢ですらっとした体…。
「誰…?」
そういうと、男は顔を上げて、あたしを見た。
…かっこいい。
なんだこのイケメン…どちら様…?
「あんたが襟花?」
「そうだけど…。」
「ふうん。」
それだけ!?
てか何であたしの名前知ってるわけ!?
しかもなんでこんな知らないイケメンがあたしの…いや郁未くんの部屋で風呂入ってんのよ!?
新手の泥棒…?
こういう時どうすればいいの?
けけけ、警察に電話するべき…?
あたしはお気に入りのバッグから携帯を取り出して、緊急ダイアルを開く。
まさかこの機能を使うことになるとは…。
「なにしてんの。」
そういうと、あたしから携帯を取り上げたイケメン。
いやいやいや、あんたが何してんのよ。