Dear HERO[実話]


気付けばあと数分で一年が終わろうとしていた。

今年が終わりを告げる。



辛かった…

苦しかった…


だけど


嬉しかった…

楽しかった…

暖かかった…


一年がもうすぐ終わる。




「今年中に話してよかっただろ?嫌なことは今年中に終わらせて、来年はいい年にしないとな!」



腕の中で目を真っ赤にさせている私に向かって微笑んだ。



「じゃあ…キスしながら新年迎えよっか♪」



「……えっ?」




予想もしない言葉に思わず顔を上げると、龍斗の優しい目とぶつかって思わず笑みがこぼれた。


深く頷きながら龍斗の目を見つめる。


綺麗で強い瞳…

その瞳に自分が写ってるのが見えた。



そしてテレビからカウントダウンの声が聞こえてくる。

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