Dear HERO[実話]
離れた心
年が明け、またバイトの日々が始まった。
1月3日 ―――
バイトが終わり携帯を見ると着信が一件。
【不在着信 榊 龍斗】
…龍ちゃんだ!
胸が一気に舞い上がる。
ゆっくり話せるように家に帰ってからかけよう。
胸を高鳴らせ、急いで家へ帰ろうとした。
~♪~♪~♪
店を出て自転車に乗ろうとする瞬間、携帯が鳴った。
誰だろ…?
携帯に表示されていた名前は【榊 龍斗】
……龍ちゃん?
「もしもし…」
「おまえ今帰ろうとしただろう…」
「…えっ?」
な…何で分かるの?
「後ろ見て…」
言われたとおり後ろを振り向くと、そこには龍斗の白い車が…
「ずっと待ってたんだけど…」
車の中で携帯を持つ龍斗と目が合った。