Dear HERO[実話]
ぎこちない空気が流れる。
すると龍斗がいきなり私の後ろを指差した。
「…ん?」
無言で後ろを見るように促す。
振り向くと、そこには<ドライブスルー>の文字。
「……?」
意味が分からず首を傾げながら龍斗を見る。
「…する?」
「えっ?何が?」
「だから……」
後ろを指差す。
「……する?」
「………」
ねぇ龍ちゃん……もしかしてシャレ??
「ドライブする?」って言いたかったの?
その言葉を素直に言えなかったらしく、龍斗は恥ずかしそうに目を伏せた。
そんな龍斗の姿に思わず吹き出してしまう。