Dear HERO[実話]
あの日から一週間 ―――
龍斗からの連絡はなかった。
メールを送ると
【仕事が忙しいからあまり連絡できない】
と返ってきた。
忙しいのだから邪魔をしてはいけない。
そう思い、龍斗からの連絡を待った。
二週間 ―――
連絡はなし。
年明けだし、色々あるんだろうな。
自分に言い聞かせながら理由を勝手につけてみる。
三週間 ―――
不安な気持ちは限界に達していた。
何かあったの?
それとも私のこと嫌いになった?
悪い想像ばかりが頭の中を巡る。
それと同時にあの日感じた龍斗の手の温もりを思い出せなくなっていて…
それは龍斗自身を失うことと同じ。