Dear HERO[実話]
紙切れを手にそっと横に目をやると、隣の女の子と目が合う。
私が手紙を見たのを確認すると、その女の子はニコッと微笑んで前を向きノートを取り始めた。
肩にかかるストレートの茶髪。
猫の目のような瞳はとても印象的。
それが莢香(サヤカ)との出会いだった。
それからお互いを呼び捨てで呼び合うほど仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
莢香をどんどん知っていくうちに、私は莢香に親近感を覚えた。
自分と莢香は似ている…
そう思えるところがあったから。
そしてそのうち莢香と一緒に授業をサボるようになっていた。
空いた教室で莢香と話す。
莢香との会話が楽しかった。
似ているところがあるからこそ、一緒にいる安心感や心地よさがあったのだと思う。