Dear HERO[実話]
時計は2時を回っている ―――
早起きも苦手だが、夜更かしも苦手な私。
このとき既に周りの話し声が遠くに聞こえ始めていた。
周りの声がガヤガヤと雑音にしか聞こえない…
しかし話が盛り上がり、寝るどころではなかった。
先に寝たらいけないと思い、必死に目を開けていた。
そんな私の様子に樹は気付いた。
「凛、眠いだろ?布団の中に入っていいよ」
「…ん……大丈夫だよ」
眠そうな顔をしながら答えた。
「いいから入りなって…」
そんな嘘は樹にはお見通し。
そんな樹の声を聞いて、シゲルの奥さんが気付いたように言う。
「あっもうこんな時間じゃない。凛ちゃんごめんね付き合わせて。眠いでしょ、気にせず寝ていいよ」
樹を見ると優しく微笑んでいる。
樹と奥さんの言葉に甘えて、先に布団に入らせてもらうことにした。