Dear HERO[実話]
しかし布団に入ったものの、頭のすぐ上で聞こえる会話が気になり中々眠ることはできない。
仕方なく横になったまま話を聞くことにした。
笑う樹の声が聞こえる。
何だかそれだけで安心した…
一時間程すると話が途絶え、全員が布団に入った。
樹は隣の布団に入り、それを見届けるように私はニッコリ笑った。
樹も微笑み返すと、私の布団に樹の手が入ってきた。
手と手が触れて、樹の大きな左手が私の右手を包み込む。
その温もりに胸がまたドキドキしていた。
そして二人はそのまま眠った…
はずだったが、それから二時間もすると目が覚めその後は中々寝付けずにいた。
周りを見ると起きている人は誰もいない。
樹も眠っている…。
布団から出て少し散歩することにした。