Dear HERO[実話]
「明日も会おうよ。でも俺多分寝てると思うから起こしてくれる?何回電話してもいいから…」
夏祭りの帰り道、樹と次の日も会う約束をした。
「うん、わかった。何時ぐらいに起こしたらいい?」
「うーん…じゃあ10時にしようかな」
「わかった。起きるまで電話するから!」
運転する樹を見てニッと笑った。
「お願いしまーす!」
樹もそう言いながら私を見る。
次の日、私は約束どおり10時に電話をかけた。
プルルル…
プルルル…
……でない。
10分後にもう一度かけるがでない…
それから何度も樹に電話をかけるが、一向に出る気配はなかった。
メールも送るが返事はない。
不安になりながらも電話をかけ続けた。
きっと樹の携帯は私からの着信でいっぱいになっていただろう。
それでも樹が出ることはなかった。