Dear HERO[実話]
「……もしもし…」
「おぉ…久しぶりだな…」
久しぶりに聞く龍斗の声。
胸がジンッと熱くなる。
「うん、久しぶりだね。龍ちゃん…元気にしてた?」
「あぁ…。おまえ、彼氏できたんだろ?」
龍斗がなぜ彼氏ができたことを知っていたのか、私は莢香からその真相を聞かされていた。
龍斗と別れたあの日から、また前のように莢香と話すようになった。
その内心は昔のようにはいかなかったけど…
いつもどこかで警戒していた。
だけど莢香は私が樹と付き合うようになると、前のようにトゲのある言葉は言わないようになった。
それはやっぱり、莢香に少なからず龍斗への想いがあったからではないかな…
そう考えるしか答えはでなかった。