Dear HERO[実話]
「私もねリトさんに友達紹介してもらうんだ~」
嬉しそうに莢香が笑って話す。
莢香は彼のことを“リトさん”って呼んでるんだ…
「じゃあどうしよっか?4人で遊ぶ?それとも他にも誘って飲み会にしてもらう?」
「うーん…4人で遊びたいな……」
大勢で一緒に居るのは得意ではなかった。
周りが気になって自分から話すことができなくなってしまう。
そんな自分の性格を知った上で4人で遊ぶことを希望した。
授業開始を知らせる鐘が鳴り、その場を去っていく莢香。
授業が始まっても、私の頭の中には彼の姿が焼き付いていた。
一緒に写っていた他の人の顔は全く思い出せないのに、彼の顔だけは私の頭から離れないでいる。
今でも思い出せる。
あのときの龍ちゃんの姿を…