Dear HERO[実話]
「…うん。忘れられなかった…」
私の心に嘘も迷いもない。
これが私の答え。
「凛が自分で決めたことだもん。私は応援するよ!」
「…ありがと」
ルリの言葉が心強かった。
「で?龍斗さんにはいつ告白するの?」
「えっ?」
「するんでしょ?告白…」
そう言って嬉しそうに笑うルリの目を思わず逸らしてしまった。
「うん…でもちょっと怖いな…」
「今さら何言ってるの!樹くんとちゃんと別れたんでしょ。龍斗さんに自分の気持ち伝えなきゃ…がんばりなよ」
ルリの目が真っ直ぐ私に向けられている。
その瞳に決心がついた。
「…うん」
ルリに後押しされ、私はその日龍斗に電話していた。
「話したいことがあるの…」
そう伝え、2日後に会う約束をした。
私の改まった言葉に、龍斗はいつもとは違う雰囲気を感じていたはず。